ハードウェアエンジニア目線の第二種電気工事士技能試験対策
②勉強方法
電子回路設計系のハードウェアエンジニアな私が思い立って第二種電気工事士の資格をとったので、その技能試験に対する対策を主に書いている内容となっています。
今回は電子回路系のハードウェアエンジニア目線での、第二種電気工事士技能試験対策の効率良い勉強方法について書いてみます。
問題を知る
まず問題の理解。
電子系エンジニアとして今まで数え切れない位の回路図を書いてきましたが、電気工事での回路は半分以上理解できません。それほどまでに畑違いな感じです。
ちなみに、こんな感じの回路図です。
普段の回路設計している回路図と全然違います。
もちろん筆記試験の勉強をした人は、わかるんだと思いますが、なまじっか筆記試験免除されてるので基本から勉強する必要がありますかね。
で、技能試験対策としてはまずは定番のこの本を買いました。
同様な本は色々と出てますが、このシリーズが一番良いかと思います。
これは絶対必要です。買っちゃってください。
もちろんその年。次の試験のを買ってください。
なぜその年なのかっていうと、なんと驚くことに、電気工事士試験って問題が公開されているんです。
問題は以下のWebにて公開されてます。
例えば2022年の2種の問題は↓ですね。
https://www.shiken.or.jp/candidate/pdf/K_R04K.pdf
これは過去問じゃないんです。今度の試験で出る問題。言ってみれば未来問なんです。
この中のどれかがでるよーっていう親切な先生が試験前に言ってくれるようなものです。
電気工事なんて一歩間違えれば火事とか大事故も起こしかねないのにそんなのでいいの?って思いますが、本当なんです。
で、先の本を見ると回答例が載っています。
なので、丸暗記できれば9割方受かったように感じるかもしれません。まぁ実際は5割くらいのイメージですかね。
細かいことを言うと問題は公開されていますが、100%公開ではなくて、試験にならないとわからない事もあります。
それが施工条件といわれている部分で、配線の種類や長さだったり、接続の仕方だったり等々あるわけで、なので完璧な丸暗記はできないってことになります。
でも、問題がわかっていれば全然ラッキーですよね。そんな資格試験なんてそう滅多には無いと思いますが。
回路図の理解
超丸暗記なら別ですが、普通はまずは回路図を読めるようにならないといけません。
回路図を見てください。
先の回路図をもう一度貼り付けます。
・記号がわからん
・文字は何やねん
・なんで線が一本なん
・イとかロってなんですのん
・団子の●ってなに?
・真ん中の○ってなに?
・施工省略とはなんやねん
・アースだけはわかるな(上記問題にはありませんが)
とかってのが私が初めてみたときの感想でしょうか。
まぁとにかく電源と引っ掛けシーリングくらいはなんとなくわかったくらいですかね。
で、本を見てもらうとわかりますが、まずは複線図ってのを書かないといけません。
書かなくても施工するやり方はありますが、私としてはお勧めしかねます。
複線図にするってのは単線図っていう1本の線で書いてある接続図からちゃんと接続する線を全て記載した配線図にすることです。
上の図が単線図ですが、電気配線って1本で書くんですよね。
これが我々マイコン系H/W技術者と違うところです。
もちろん我々もブロック図等では1本で書きます。バスの場合は太くしたり何本っていれたりしますから、それを実際の配線図にしていくっていうイメージでしょうか。
で、複線図にしたら実際の配線がしやすいってことです。
人によっては複線図無しで施工する人もいますし、そういう手法もありますが、私としては複線図をしっかり書くことでトラブル防止になると思いますので、複線図を書くことをお勧めしています。
複線図を書く前に
複線図というか実際に配線するにあたりルールと言うか決まりがあるんだそうです。
マイコン系H/W技術屋からしたらどーでもえーやんって思うことですがちゃんと決まってますので覚えないといけません。
配線の色
アース線は緑ってのはなんとなく知ってると思います。電子レンジとか洗濯機とかのアース線って緑ですもんね。
その緑ってのは決められてるんです。赤とか白とかにしてはいけません。
まぁ動作的には何色でも関係ないですが、少なくとも技能試験で緑以外を使ったら落ちます。
同様に非接地側は黒。設置側は白です。
これが非常にまぎらわしい。我々的には電源が赤、GNDが黒ってのが一般的ですし長年染み込んでいる常識です。
この先入観を取り除くのに苦労します。接地=黒でしょって思いがちなんです。なんで白なのよー
でもどっちが白、黒って実は覚えなくてもいいんです。このように問題に書いてあります。
まぁ、練習していたら自然と覚えるとは思いますが、試験当日にパニクってど忘れしてもちゃんと問題に書いてあるから安心!ってだけは知っておきましょう。
同様に、接地はN(ニュートラル)、非設置はL(ライブ)といいます。
まぁこれは生きてるからLiveってことでまだわかりやすいでしょうし、BLACKって覚える人もいるそうです。
配線順
これを特別取り上げてる書籍とか無いかもしれませんが、ワタシ的にはとっても気になった部分です。
これもね。もぅどーでもえーやんって思うわけです。
非接地側からみるとスイッチが来てから負荷という順です。これ大事です。この順番は絶対なんです。
電源部はこういう書き方は電気工事士の試験では見ないんですが、我々の感覚で書くとこうなります。
もっと我々的に書くとこうです
DC的に書いてますが、とにかくこんな順です。
決して逆にしてはいけません。もちろん動作はしますよ。どっちでもいいでしょ。でもこの順は絶対です。
別途 複線図対策で書きますが、この基本図を覚えておけば複線図は非常に楽になります。
配線長
これは勉強することじゃないんですが、実際の試験では配線長が指定されます。
この配線長は公開されている問題には載ってませんね。試験の時に初めてわかります。
これコンセント間の間をVVF1.6-2Cケーブルで150mmで配線してね!っていう指定なんですが、
半分の75mmでもOKです。50%以上ならいいんだそうです。
極端な例なら100m指定されても50mでOK。アバウトですよね。我々の世界だと等長配線とかもしますし、あまり引き回すと容量成分が多くなってノイズがのったり、波形がなまったりって、結構長さって重要だったりするんですが、電気工事士の(試験の)世界では重要じゃないようです。
施工ルール、判定基準
いちばん大事なのが各機器の接続です。
芯線がはみ出てはダメとか、はみ出しは5mmまでとかです。細かく文句言ってくる姑がいると思ってください。
これをしっかりと覚える必要があります。これは先程紹介した書籍に載ってますので、しっかりと覚えましょう。実際に練習しながら覚えていくのが効率的です。
勉強順
勉強方法としては以下の順がよいかと思います。
各項目については詳細を別途書いていきます。
1.複線図を書けるようになる
まずは複線図が書けるようになることです。
2分とか3分とか言ってる人もいますが、5、6分かかっても良いでしょう。
最終的には5~7分位でしっかりとした複線図に加えて、各配線の長さ、各接続部の方法・種類が書ければ試験では十分余裕がでてきます。
2.各機器の接続練習
各部品への接続の練習です。
指定工具+αを使ってきっちりとできるように練習します。
これもWebとかYouTubeで時短時短って言う人がいますが、そんなに時短考えなくていいです。
しっかり確実にできれば十分に間に合います。
3.試験問題の事前練習
公開されている問題に施工条件を付加した練習キットを使って最低1回は練習しておきます。
できれば2回位できればいいでしょうかね。
何回もしようとするとケーブルとかの費用がかかりますので、お金と相談です。
ここでだいたい30分くらいでできるようになっていれば問題ありません。
ちなみに実際の試験は40分です。
普通に練習すればゆっくりしっかりやっても30分位でできるようになるはずです。逆に言うなら30分で出来るくらいまでにはなっておきましょうってことです。
というわけで、重要度でいうと
複線図 5割
各機器 3割
事前練習 2割
なイメージですかね。まずは複線図が大事!
日程的には、事前練習は試験の2週間前から位で十分です。
あまり早く手掛けると部材が無くなってしまい、試験前に練習ができなくなってしまいます。
複線図は早すぎることはないので、早いうちに練習しておきましょう。
回路の理解ということもあるので、公開されている問題だけでなく過去問使っても良いかと思います。
次回は必要なものについて書きます。
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